準富裕層と発達障害児

準富裕層、3児の父。準富裕層であれば発達障害児を救えるのかを検証するブログ。

アメリカが強い理由

アメリカは至上最強の国ですが、私が考えるに、リーダーが強い事が理由ですね。


アメリカのトップマネジメントが優秀だと考える材料は、太平洋戦争に沢山ありますが、その中でも『ルンガ沖夜戦』の話が私は好きです。


ルンガ沖夜戦というと、知っている人であれば日本軍の一方的勝利という認識でしょう。一般的には一方のアメリカはただ負けただけであり、優れたところがあったと言うことは見出せないと思います。


ルンガ沖夜戦は、田中頼三少将指揮する日本海軍の駆逐艦艦隊が、孤立する陸軍への輸送任務を引き受けた作戦のとき、アメリカ軍に会敵した事により発生しました。


アメリカ軍との会敵により日本海軍は輸送任務を放棄し戦う事になったのですが、このアメリカ軍というのが重巡洋艦4隻などからなる重武装艦隊。普通に考えた場合、駆逐艦のみの艦隊では重巡洋艦には勝ち目がありません。


しかし、田中頼三少将は日頃から厳しい訓練を艦隊に課しており、放った魚雷は次々と敵巡洋艦に命中。日本軍も一隻の駆逐艦、高波が撃沈されますが、アメリカ軍は重巡洋艦1隻沈没、3隻大破で戦闘不能となり、文字通り壊滅しました。


日本海軍の本来の任務は輸送任務でしたので、戦略的には失敗、しかし戦闘結果のみみた戦術では日本海軍の完全勝利である、と言われております。


さて、この田中頼三少将の評価が実は日米で全く異なります。



日本では、田中頼三少将が輸送任務を放棄した事、駆逐艦高波を早々に犠牲にした事、積極的に戦う姿勢を見せなかった事で、左遷人事を下し、以後、艦隊を指揮させなくしました。


一方、アメリカは、田中頼三少将を高く評価し、艦隊の統率、攻撃に転じるタイミングなどを褒め称えております。また、『田中頼三少将はアメリカ軍にとって脅威であった。左遷人事によって陸上勤務になって良かった』というような文言を残しております。


こうして、アメリカは客観的に適正な人事評価が出来るのも凄いのですが、このルンガ沖夜戦で負けた理由も分析しております。結果、『重巡洋艦は大型艦船であり、ルンガ沖のような海峡は狭く、長い射程の艦砲も生かせないし、回避行動も難しかった』という結論に至ります。負けた理由を隠さずに、分析するのがアメリカの素晴らしさですね。


アメリカはこの分析結果を生かし、日本軍の輸送任務を妨害するのは重巡洋艦のような長大なものでなく、PTボートという魚雷や大砲、機関銃などで重武装したモーターボートで行う事としました。PTボートは小さく、機敏に動き回り、魚雷も効きませんし、更に製造コストが安いので大量に配備出来ます。海峡で戦うのにはとても有効で、後に日本軍の輸送艦隊を壊滅に追いやるのに役立ちました。


アメリカの凄いのは、まさにこの、負けた事も包み隠す事無く俎上に乗せ、きちんと次回勝てるように対策を立てる事です。日本人のなんちゃってトップマネジメントとは全く異なる様に思います。今後もアメリカは強いと思います。