準富裕層と発達障害児

準富裕層、3児の父。準富裕層であれば発達障害児を救えるのかを検証するブログ。

昭和大病院で腸重積開腹手術成功

【発症60時間目-昭和大病院で緊急手術】

昭和大病院の地下駐車場に車を停め、救急医療センターの受付を済ますと、診察室から「お父さん来ました!」と看護士の声が聞こえ、すぐに執刀医が出てきました。


長男は急を要する容態であること、手術が必要で、その際、輸血、壊死した小腸の切除が必要であること、後遺症、血友病、そして死亡するリスクが有ることなど、5分程度の時間で簡潔明瞭に説明を受け、手術前検査や手術の同意書に記名しました。


手術前検査では、CTスキャンを実施。造影剤の影響でアレルギーが顔に現れ心配したものの、幸い全身には広がらず、検査は終了。


医師からは、小腸腸重積で間違い無い。確かに厳しい状態だが、過去に何人も同様の手術を行い、その子供たちは皆、元気に回復して全く問題無く生活していると教えて貰い、少し励みになりました。


しばらくして手術の手配が終わったようで、医師、看護士らとともにエレベーターを乗ってフロア移動し、手術室前室に到着。ここでは麻酔科医に麻酔の説明を受け、やはり同意書に記名しました。そして、容態も悪化し、ぐったりした長男を見送りました。もう生きている姿はこれまでかも知れないと本気で思い、短い時間にきちんと顔を目に焼き付けておきました。


手術の間、この病院での入院説明を受け、入院手続きを行い、その後はこの廊下で移動せずに手術が終わるまで待っていて下さいと言われました。手術の時間は2時間程度と聞いておりました。


暗く、奥行きがあり、暑かった廊下。

自販機もトイレも無いこの空間でひたすら待つことになりました。途中から他の患者の親族である女性もやってきて同様に待機しておりました。


一応、看護士に連絡すればフロア移動は許可されておりましたが、フロア移動した直後に限って不吉な連絡が来そうで、移動しないことにしました。ただ、空腹に加え暑さでしんどかったです。幸い、冷え冷えの麦茶は1リットル、ちょっと過剰な位に持参しており、救われました。


昭和大病院は長女、そして長男の分娩でもお世話になってますが、長女の時は親族の待合場所は綺麗で快適な待合室を指示されてました。ただ、目の前に大きなユリの生花が飾ってあり、その狭い空間にユリ花粉が濃厚に飛散しておりました。産婦人科病棟ということで、男である私が迂闊に待合室外に脱出するわけもいかず、花粉症である私は全身痒くなるまで数時間待機してました。あの時も大変だったなぁと回想してしまいました。


もう1人居た女性は暑さに参り、看護士に訴えると、涼しい婦人科病棟に通されてそちらで待機していて下さい、と指示されてました。こうしてまた1人待機する事になりました。雨も降って来て蒸し暑さも加わりました。


手術は終了予定時間の0時を越え、翌1時に手術そのものは成功であるという第一報が来ました。そして術後措置も含め2時まで掛かりました。本当に長く感じた4時間でした。妻には第一報を即座に連絡し、妻は安堵した様子でした。


手術成功と言えども、執刀医から長男の状態を聞かないと安心出来ず、長男、執刀医の帰りをあと1時間待ちました。3時前に執刀医と看護士らは入院施設に長男を運び込み、チューブや計器を一通り付けておりました。


この時、長男は看護士の隙を突いてチューブを自力で外し、驚かれておりました。それだけ意識がしっかりしているのであれば、大丈夫だな、と何となく感じました。


執刀医から術後説明があり、小腸の10パーセント切除した事。腸重積の原因は小腸の腫瘍が腸を巻き込むようにして起きたためである事。腫瘍は先天的なものと考えられるが、一週間掛けて検査する事。小腸は一度全て取り出しており、目視や触診により、他に腫瘍が無いことを確認した事。(翌朝の追加の説明で)輸血は行わずに済んでいる事。開腹手術の跡は残る。など、不明点が全く無く理解出来ました。


入院施設では、忙しそうな執刀医、看護士が少し落ち着いたタイミングで心から感謝を申し上げました。


一つ心暖まる話題で、長男は手術に入る前、麻酔科医からなだめられるように会話していたそうですが、その雰囲気がとても可愛らしかったようです。会話内容の詳細は分からないものの、多くは「寝ている間に手術終わるからね」とかそういう励ましだそうです。これに対してきちんとお返事していたようでした。


その会話で手術される事を長男は理解したのか、手術が終わって麻酔から覚めた長男の第一声が「終わった?」だったとのことで、到底2歳児の言葉とは思えず、医師、看護士らは非常に驚くとともに、その様子は神秘的だったそうです。


しばらく長男の病床に付き添い、顔色も悪くない事を確認。もう少し傍に居てやりたかったのですが、恐らく家に帰らないと妻は寝ずに待っている気がしたため、早めに病院を後にする事にしました。


駐車場料金1,600円。1秒を争うために選んだ割高な病院駐車場。お金で時間、命を買ったのだから素晴らしい出費だ。


最初の小児科再々診から数えて13時間、早朝4時にようやく帰路に就きました。

夜間の雨が嘘のように朝焼けが美しい。


何となく疲れたので、ファミリーマートでサンドイッチ、メロンパン、アイスコーヒーを購入して13時間振りに食べ物を口にします。美味しかった。


家に帰って妻に長男の無事を知らせ、ようやく夫婦とも休む事が出来ました。