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アッパーマス、3児の父。不労所得のみで育児に専念する環境を作ることが目標。

大本営発表で日本の悪い連鎖が学べる

大本営発表が何故、非難されるかというのは余り知られてませんが、この大本営発表でとてもとても大きな数の死傷者が出たからです。


大本営発表の最たるは、台湾沖航空戦の戦果過大誤報ですね。この時の戦果は、


轟撃沈 航空母艦11隻 戦艦2隻 巡洋艦3隻 巡洋艦若(もしく)は駆逐艦1隻


と、敵艦隊を壊滅せしめた、そうです。


この時、参謀本部の部員であった瀬島龍三が、この誤報が嘘であるという事実を握りつぶして、敢えて流したと言われてます。


ちなみに、瀬島龍三は、後の伊藤忠経営者や中曽根首相のブレインとなる人物です。が、一方では、この頃からスパイだったのでは?と言われてます。


この大本営発表誤報により、日本はキッチリ血による報いを受けます。それが、フィリピンでの8万人将兵の無駄死にです。


この台湾沖航空戦の結果を真に受けた寺内寿一(愚将)。


敵の艦隊、航空部隊の脅威が排除されたと誤解。既に守りを固めていたフィリピンルソン島の軍団をマッカーサーの上陸するフィリピンのレイテ島に移すことを提案しました。


しかし、山下奉文(超優秀)は、台湾沖航空戦で空母、戦艦が沈められたとは思っておらず、せいぜい空母1隻撃破出来たかどうか程度であろう、とかなり高い精度の予測をしてました。


この予測により、ルソン島からレイテ島への軍の移動は、米軍からの脅威に曝されるから猛反対します。


この山下奉公の予測のサポートをしていたのが、司令部で、マッカーサー参謀と渾名を付けられるほど、米軍の動きを予測する事に長けていた堀栄三(超、超優秀)。


しかし、山下、堀らの反対を寺内は押し切り、馬鹿な移動で8万人の将兵が空襲や敵艦船により輸送船もろとも亡くなって行きました。まさに無駄死にです。


ちなみに、山下奉文はマレーの快進撃始め滅法戦闘で強かったのですが、人道派です。敗戦濃厚なフィリピンでは、軍が防御力の高い首都マニラで米軍と戦うべきだと主張するなか、山下は100万人のマニラ住人を巻き込むべきではないから、山間部に撤退してそこで戦うべきだ、と主張してました。


しかし、富永恭次(愚将)らが住人を犠牲にしてでもマニラでの抗戦を主張。



結局山下は一部の兵士を山間部に連れて戦い終戦。残された軍はマニラで戦ったため、10万人のマニラ住人が死亡しました。


山下はこのマニラ住人が10万人死亡した事を罪に問われA級戦犯となりました。本来は上官や部下の責任なのですが、罪を一手に引き受けると決断し、弁明することなく絞首刑となりました。一方の富永は、マニラ住人10万人死亡の罪の責任者なのに、死刑が廃止されていたロシアシベリアに抑留されるなどして運良く生き長らえてしまいました。



どうでしょう。日本の組織の欠陥や融通の無さは今昔と変わらない気がします。本当に優秀な人の意見が通らず、苦しい思いをするのはいつも末端ですね。